前提として、ヒゲ脱毛による深刻な肌トラブルや副作用はほとんどありません。ただし、起こり得る可能性はゼロではありません。事前にどんな症状が出やすいのかを把握しておくことで心に余裕を持って対応ができるようになります。
施術後に起こり得る肌トラブルや副作用、その予防対策方法を知っておきましょう。
ヒゲ脱毛で起こり得るトラブル一覧
- 赤み・炎症
- 毛嚢炎・ニキビ
- 火傷
- 腫れ・内出血
- かゆみ
- 色素沈着
主なトラブル・副作用としてこの6つの報告が多いと言います。
赤み・炎症
レーザーや光による熱のダメージで皮膚の内部に熱がこもり、軽い炎症を起こすことで多少の赤みが出たり、ヒリヒリすることがあります。
特に皮膚や肌が弱い人、色白の人は赤みが目立ちやすくなります。
赤みは数時間、長くても数日(2~3日)で自然と治まるのが一般的です。
毛嚢炎(もうのうえん)・ニキビ
脱毛後は毛根周りの皮膚が軽い炎症を起こした状態になっており、弱っている毛穴に雑菌が入り込み、化膿することでブツブツと赤白く膿んだニキビのようなものができることがあります。これが毛嚢炎です。
普段からニキビができやすい体質の場合はこの症状が出る可能性が高くなります。
施術後は脱毛箇所を清潔に保つこと、かゆみが出てもかかないことで感染のリスクを最小限に抑えることができます。
火傷(やけど)
レーザーや光が皮膚や肌に過剰に反応してしまい、火傷になってしまうことがあります。(針脱毛ではほとんどありません)
レーザーの強度設定、レーザー照射時に肌を保護するジェルを使用する、日焼けをしないなど肌へのダメージを抑えることで火傷のリスクを抑えることができます。
腫れ(はれ)・内出血
赤みを帯びて腫れあがることがあります。これはレーザーや光の強い刺激から肌が軽いやけど状態になっていたり、内出血を起こしているためです。
肌が弱い人は酷く腫れあがる可能性もあるので、いきなり施術を受けるのではなくパッチテストなどを行い様子をみてみると良いでしょう。
かゆみ
脱毛箇所がかゆくなることがあります。
かゆくなる原因としては大きく2つあり、火傷と乾燥です。
脱毛直後は毛根周辺が軽いやけど状態となっており、体内に熱がこもることでかゆみを感じることがあります。また、やけど状態のときは肌の水分量も低下しており、かさつきやすく、乾燥するとかゆみが出やすくなります。かゆいからとかいてしまうと赤みが引かなくなったり長引く原因になるので注意が必要です。
施術後はお酒を控えたり、熱いお風呂や長時間の入浴を避けることでかゆみは最小限に抑えられます。
色素沈着(しきそちんちゃく)
脱毛後は肌がデリケートになっているため、ケアを怠ると黒ずみの原因になります。
脱毛後に肌をかくとそれが刺激となり、皮膚の表面にメラニン色素が沈着して黒くなったり、紫外線を浴びるのも原因の一つです。紫外線は大きな刺激であり、かゆみを感じさせます。また、紫外線を浴びると肌の奥でメラニン色素が生成されますが、施術後はデリケートな状態なので余計に起こりやすくなります。
脱毛後は肌への刺激を抑えるとともに、紫外線対策・UVケアなどを取り入れましょう。
仮に色素沈着により黒ずみができてしまっても肌のターンオーバーにより1ヶ月もすれば元の肌色に戻ります。
副作用や肌トラブルは個人差が大きい
肌トラブルや副作用の出やすさは、その人のヒゲ密度や元々の肌質、施術前後期間の肌のコンディションによっても違います。
一般的にヒゲの密度が高く、肌が弱い方(敏感肌など)は密度の低い人、肌が強い人に比べれば施術後のトラブル・副作用は現れやすくなります。
脱毛による肌トラブルや副作用が起こる可能性はゼロではありませんが、その症状の度合いは個人差が非常に大きいです。まったく問題のない方もいれば、酷い赤みやかゆみに襲われる人もいます。
すべての人が該当するわけではありませんが、たいていの人が施術後数時間~数日は肌が軽く赤くなったり敏感になると思っておきましょう。
深刻な症状はまずない
副作用やトラブルについて知るとヒゲ脱毛に対する不安や恐怖心が大きくなってしまうかもしれません。
でも、クリニックやエステなどでは当然アフターケアのこともしっかりと考えられています。クリニックであれば医師に対応してもらえますし、エステでも提携クリニックなどを紹介してくれます。
余程のことがない限り、大きなトラブルに見舞われることはないので安心して大丈夫です。万が一肌トラブルに遭っても数日で改善される場合がほとんどです。
「まずは受けてみましょう」とは言えませんが、ヒゲ脱毛を受けようと考えているクリニックなどに相談・カウンセリングを受けてみることをおすすめします。
メリットかデメリットどっちを取る?
これはヒゲ脱毛によるメリット・デメリットにも繋がる部分ですが、施術による肌トラブルや副作用というデメリットを取るのか、ヒゲ脱毛によるヒゲに関する悩み解消のメリットを取るのかです。
ヒゲ脱毛の施術後に一時的に肌トラブルや副作用に見舞われても基本的には数日~数週間で治ります。もちろん、トラブルや副作用が起こらないレベルでの施術を受けることも重要ですが、ヒゲ脱毛後の生活を考えればどちらを取ると良いのかが見えてくると思います。
副作用なんて気にしてられないほどメリットが多いのもヒゲ脱毛だと思います。ここは考え方次第ですが。
予防・対策
ヒゲ脱毛で起こり得る肌トラブルや副作用について紹介しましたが、ここからはヒゲ脱毛のデメリットでもあるそれら肌トラブルや副作用を防ぐためにできることについて紹介します。
ヒゲ脱毛のトラブル対策、副作用対策として取り入れ、ヒゲ脱毛のデメリットやリスクを最小限に抑えられるようにしましょう。
- 医療機関で施術を受ける
- エステで施術を受ける
- 信頼できるクリニックで施術を受ける
- 生活習慣を整える
- 応急措置でカバーする
- なるべく触れない
- 施術を受ける準備を整える
一見すると相反する項目もありますが、詳しく解説していきます。
医療機関で施術を受ける
クリニックや病院(皮膚科)などはエステと違い、医師が常駐しており、医療行為が認められているため、施術後のアフターケアに対して安心かつ万全な体制が整っています。万が一肌トラブルが起きた場合でもすぐに適切な処置や処方が可能で、安心度は高いです。
エステで施術を受ける
エステサロンの光脱毛(フラッシュ脱毛)は出力が弱いため、肌トラブルや副作用は起こりにくいです。ただし、出力が弱いことは=(イコール)長期的に通わなければならないことでもあります。
エステとクリニックには一長一短があるのでその点は理解した上で選ぶ必要があります。
信頼できるクリニックで施術を受ける
ヒゲ脱毛の副作用的なトラブルは軽度のものであれば誰にでも起こる可能性はありますが、施術者の技術が未熟な場合に起こりやすくなります。
リスクを最小限に抑えるために一番効果的な対策は下手なクリニックを選ばないことです。
- レーザー脱毛に本腰を入れているクリニックを選ぶ
- 実績(症例件数)が多いクリニックを選ぶ
- 開業から長い歴史のあるクリニックを選ぶ
この3つがクリニック選びのポイントです。
この辺りの情報は公式サイトを見れば一目瞭然で「脱毛もやっています」レベルではなく、専門に行っているクリニックを選ぶのもポイントです。
生活習慣を整える
飲酒・暴飲暴食・喫煙・睡眠不足は肌に影響を与え、回復を遅らせます。
生活習慣は肌に出るため、施術前後1週間くらいは飲酒・喫煙を控え、皮脂を過剰に分泌させる甘い物や油の多い物は避け、なるべく規則正しい生活を送ることも予防対策としてはおすすめです。
応急措置でカバーする
自分でできる対策としては肌への刺激や乾燥を避けることです。
ヒリヒリする場合は、熱いお湯や湯船に長時間つかるのは避け、冷えたタオルを絞り患部に当てます。オロナイン軟膏や保湿系の化粧水、クリーム、ローションを使い、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
男性でスキンケアに気をかける人は少ないかもしれませんが、メンズコスメはアルコールが入っていることが多いのでアルコールフリーの低刺激タイプを使用しましょう。
なるべく触れない
トラブルや副作用が現れたときはどうしても患部が気になり触れたくなりますが、なるべく触らないようにすることも大切です。
施術を受ける準備を整える
肌が黒いとレーザーや光が反応しやすくなり、ヒゲだけでなく皮膚の表面も焼いてしまうこともあります。男性で日焼けを気にしない人も多いですが肌にメラニン色素が多い状態で施術を受けると肌を痛めやすくなるので施術前後の日焼けには注意してください。
施術前に日焼けをしない、飲酒・喫煙を控えるなどなるべく肌に影響が出ない様に生活習慣を整えたり、もしものときに備えて化粧水やオロナイン、顔を隠すためのマスクを用意するなど準備を整えておきましょう。
最悪のケースを想定しつつ、準備を進めることは大切ですが基本的に深刻なトラブルになることはほぼありません。どうしても心配なときはセカンドオピニオンとして別の医療機関に見てもらうことも大切です。
まずはカウンセリングやテスト照射、体験コースを実際に試してみるなど自分の肌に合うかどうかをチェックしてから施術を受けるようにすると良いでしょう。
もし重度のトラブルが起きたら
予防や対策を整えて施術を受けてもトラブルや副作用の可能性がゼロになることはありません。
ヒゲ脱毛によるトラブル・副作用はそれほど重度のトラブルが起こることはまずありませんが、それでも重度のトラブルが起きたり、どうしても施術後の肌が気になるときは自己流で対応するのではなく、施術を受けたクリニックや病院に早急に相談しましょう。
エステなどでは医療行為はできないため、アフターケアに物足りなさを感じる場合があるかもしれませんが、クリニックなど病院での施術は医療行為が可能なので肌の治療など適切な対処を行ってくれるため安心感は高いはずです。
消費生活センターに相談
対応してもらえない時は最後の手段として消費生活センターに問い合わせてみると良いでしょう。
これはあくまでも最後の手段なので、まずは施術を受けたクリニック・病院・エステなどに問い合わせ、症状をチェックしてもらうとともに相談・アドバイスを仰ぎましょう。
ヒゲ脱毛クリニックは大手から個人経営の店舗も含めると全国に多数あり、消費生活センターには脱毛のトラブル相談(主に契約の解除、返金の相談、業者の倒産など)も多く寄せられています。
トラブルが起こった場合の対処方法を確認しておくとともに、金銭面でのトラブルに巻き込まれた場合は一人で悩まずに消費生活センターに相談するのも一つです。